CASE
化粧品等の企画・製造・販売を行う、グループ約100名規模の企業。東証グロース市場への上場を目指し、N-2期の段階から支援を開始しました。
当時、N-1期に入るにあたり内部監査体制の整備が必要な状況でしたが、監査計画や実施方法、改善フォローの仕組みはまだ整っていませんでした。そこで、上場申請までを見据え、内部監査をゼロから立ち上げるところから支援を行いました。
支援開始時の状況
N-2期では、内部監査専任の体制が十分に整っておらず、「まず何を監査対象にするのか」「どのタイミングで、誰に、何を確認するのか」といった基本設計から整理する必要がありました。
上場準備を進める一方で、各部門の日常業務は通常通り動いています。監査のためだけの仕組みをつくるのではなく、現場の実務を理解しながら、無理なく継続できる監査体制にすることが重要でした。
年間計画をつくり、実際の監査を回し始める
まず、上場準備スケジュールと会社の業務特性を踏まえ、年間の監査計画を策定しました。そのうえで、各部門への現地訪問やヒアリングを実施し、業務ごとのリスクや確認ポイントを整理しています。
例えば、現地で業務フローを確認しながら「実際には誰が承認しているのか」「規程と運用にズレはないか」「特定の担当者に業務が集中していないか」といった点を確認し、会社の実態に合わせてヒアリングチェックリストを作成しました。
単にチェック項目を消化するのではなく、現場との会話を通じて、今後問題になり得るポイントを把握することを重視しています。
指摘して終わりではなく、改善が回るところまで
監査実施後は、確認した事項を監査改善指示書として整理しました。ただし、指摘事項を伝えるだけでは内部監査は機能しません。
「どのような運用に変えれば現場で継続できるか」「誰が対応し、いつまでに改善するか」まで各部門と一緒に検討し、月次定例の中で改善状況を確認していきました。
支援が進むにつれて、監査計画に沿って実査を行い、指摘事項の改善状況まで継続的に管理する流れが社内に定着していきました。
IPO準備の進展に合わせ、支援領域も拡大
上場申請が近づくにつれ、内部監査だけではなく、ガバナンス領域全体との連携が必要になります。
- J-SOX対応の支援
- 監査役の活動サポート
- 監査役・会計監査人・内部監査による三様監査の運営支援
- 上場審査資料のうち、コーポレート・ガバナンス領域の作成支援
それぞれを個別に整備するのではなく、IPO準備全体の中で整合するように進めることで、内部監査・内部統制・監査役監査が連動して機能する状態を目指しました。
約2年半で、上場申請に耐えうる内部監査体制へ
N-2期から上場申請まで、約2年半にわたり月次定例を軸に支援しました。
その結果、内部監査を年間スケジュールに沿って運用し、監査後の指摘事項についても改善管理まで継続的に回せる状態となりました。上場申請時には、審査に耐えうる内部監査・内部統制体制を構築できています。
当初のスケジュール通りに上場申請を行い、2025年には上場承認まで到達しました。その後、株主の意向により上場は延期となり、改めてIPOを目指す過程を経たのち、最終的には上場会社へのM&Aによるエグジットとなっています。
お客様の声
監査等委員 O様
Q1. 支援を依頼する前、ガバナンス、内部監査やIPO準備についてどのような課題を感じていましたか?
ガバナンスにおいては、上場企業として求められるガバナンスに関するノウハウや経験が社内に十分蓄積されていない中、何が必要なのか、経営陣と認識を共有しながら、取締役会等をどのように運用し、ガバナンスを実効的に機能させていくかが大きな課題と感じていました。
内部監査においては、ノウハウが社内には全くなく、運用の方法もわからない状況にありましたので、牽制機能が働いておらず、内部牽制体制を機能させることが課題であると感じていました。
IPO準備においては、社内体制が整備・確立出来ていない中、上場業務と審査等の対応が出来るのかという課題を感じていました。
Q2. 実際の支援の中で、特に印象に残っていることや助かったことは何ですか?
証券審査及び取引所審査において、細かな点までアドバイスを頂きました。
その内容は、審査側の視点でアドバイス、チェックをして頂き、非常に細かな部分までフォローをして頂きました。また、朝早くから夜遅い時間帯、休日であってもスピーディーに対応して頂き、時間に追われる審査期間等は特に助かりました。
また、取引所が発信している情報も適時提供を頂き、当社の課題に合わせたアドバイスをして頂いたのはリスク管理等チェックを行う上で非常に有効なものであったと思っています。
Q3. 支援を受けたことで、内部監査運用や社内のガバナンスはどのように変わりましたか?
内部監査の体制、監査業務の整備等サポートを頂いたおかげでスピーディに整備することが出来ました。IPOが計画通り進んだこと、審査に臨めたのは的確なサポートを頂いた結果であると思っております。
監査等委員会、監査役業務においてもアドバイス、相談にのって頂いたおかげでガバナンスの強化につながったと感じます。
監査役の実務においてもアドバイスを適時頂いたので、監査機能・監査視点でガバナンス機能を高めることが出来たと感じています。
Q4. どのような企業に、セイドウパートナーズの支援をおすすめしたいですか?
IPOを考えられている企業で、何に取組まなければならないか?入口の段階で共に取組んでもらうことで、効率よく、スピーディに進めていけると思います。
証券取引所で勤務され実務を経験されていることから的確なアドバイスをして頂けます。これは、初めて審査を受ける立場からは、非常に有難い経験・ノウハウであると感じました。
上場を終えた企業は、公開がゴールになりがちですが、重要なのは上場後のガバナンス、コンプライアンス体制等を維持・強化することが必要と考えます。上場後に不祥事等の発覚は企業価値の低下、株主代表訴訟等につながる恐れがあり、チェック体制はより強化が必要と考えられますので、外部のチェック役としての役割を担ってもらうことでガバナンス体制のチェック、強化につながると考えます。
この支援で重視したこと
本件で重視したのは、「監査を実施した」という形式をつくることではありません。
現場の業務を理解し、上場審査で求められる水準を意識しながら、実際に継続運用できる仕組みに落とし込むこと。そして、内部監査だけでなく、J-SOX、監査役、三様監査、コーポレート・ガバナンス資料までを一体として支援することです。
内部監査は、チェックリストを埋めることが目的ではありません。会社の変化に合わせて、今見るべきリスクを捉え、改善につなげることが重要です。
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